もしかしたら、この話はあなたにとっては耳の痛い話かもしれませんが、これは絶対的な事実なので、お話したいと思います。
それは、「曖昧さ」=「ビジネスの脆弱性」です。
もし、今、あなたは自分のビジネスにおいて、満足のいくような結果を残していないのなら、それはあなたの経営者、マーケッターとして、物事を曖昧にしている可能性があります。
物事を曖昧にしているとは例えば、このような態度です。
Q:あなたのビジネスのターゲットは誰ですか?
A:特に決めてません。その時々で付き合う顧客を決めています。
Q:あなたの商品・サービスのライバルにはない強みは何ですか?
A:あまり違いはありませんね。というか、あまり考えてみたことはありません。
Q:あなたはどうやって、見込み客を探しているのですか?
A:偶然の紹介と営業担当者にTELアポさせています。
曖昧ですよね?「大丈夫?」と心配になってきちゃいますよね?
実は、このような態度の経営者やマーケッターは世の中にはたくさんいますが、その曖昧さと同じように、彼らのビジネスは常に弱い土壌の上に成り立っています。
あなたには「自らのビジネスのあらゆること」を明確にする義務がある
企業が長期間存続する要因を分析したベストセラー本『ビジョナリー・カンパニー―時代を超える生存の原則』日経BP社)を書いたジム・コリンズはこんなことを言っています。
企業において、偉大になることを拒んでいる主な障壁は、リーダーシップの弱さだ。これはすべての会社に言えることだが、とりわけ中小企業に当てはまる。中小企業では、社長が日常業務に大きな影響力を及ぼし、自らの手で偉大な会社に作り上げていく必要がある。端的に言えば、リーダーシップのスタイルが有害なものだと、偉大な企業を築くことはできないということだ。
あなたのビジネスを通してのビジョン、考え方、知識、スキルなど、仕事のスタイルが会社全体の風土を作り上げているのです。
それは良い意味でも悪い意味でも、あなたの言動は会社に対して、乗数的な影響を与えているのです。
そして、トップであるあなたが作り出した風土は、全社員の行動パターンに影響を与えます。
つまり、あなたがリーダーとして、物事を曖昧にすればするほど、あなたの周囲の人たちは迷い、それが会社の存亡を左右するのです。
あなたには、物事を明確にして、継続的に価値を生み出し続ける責任があるのです。
「決められない」それなら、誰かの下で働いてください
でも、多くの経営者やマーケッターは日々の仕事に忙殺され過ぎていて、物事を明確にするための時間を十分に確保できていません。
「物事を明確にすること」とは、何かの本を読んだり、セミナーに出たりすることではありません。
「物事を明確にすること」とは、1日の中で少しでも、日々の忙しさから離れて、自分自身のビジネスを客観的に分析・評価・改善し、価値を継続的に生み出す仕組みを築くために、曖昧になっていることの一つ一つを明らかにしていくことです。
これは驚くべきことですが、多くの経営者やマーケッターは日々の仕事に忙殺されていて、自分自身の商品・サービスの価値を深く理解し、明確にするための時間を確保できていません。
見込み客や顧客の本当の悩みや願望について理解し、明確にするための時間が確保できていないのです。
それから、ライバルと自分たちのビジネスとの違いについて明確にし、把握するための時間を確保できていません。
そんなことでどうやって、あなたはライバルたちよりも見込み客や顧客を魅了するようなビジネスを築くことができるのでしょうか?
「忙しい」は言い訳にならない
「忙しい」は言い訳になりません。
なぜなら、「忙しい」といったところで、物事が明確になることはありませんし、事態は何も変わることはないからです。
成功する経営者、マーケッターに共通する資質は「現実を明確に把握する力」です。
自分自身に対しては決して、嘘をついてはいけません。
なぜなら、ビジネスにおけるあなたの成功は、あなたが下す数少ない重要な決断に掛かっているからです(どの顧客と付き合うのか、どんな商品・サービスを扱うのか、誰を雇うのか・・・といったこと)
そして、これらの決断に最も大きな影響を与えるのは、自分の置かれている状況と自分に与えられた選択肢をどの程度、明確に把握しているかということなのです。
人生やビジネスにおける難題を他人のせいにするつもりなら、それは自らを失敗者に仕立て上げることになってしまいます。
物事を自分の責任として引き受けることができれば、できることがまだまだ、たくさんあることに気づくことができます。
今、あなたが行っているビジネスは「あなたのビジネス」です。だから、最終的な責任は、あなたにあります。
あなた自身がビジネスに対して全責任を負うことができれば、成果に対する責任を部下に持たせることができます。
– これまで、あなたは自らのビジネスの成否に、どの程度責任を持ってきましたか?
– 成功するために、あなたが変えなければならないことは何ですか?
– ビジネスを成功させるために、どれほどの決意を持って取り組んでいますか?
– あなたのビジネスにおいて、あなたが気づかないふりをしていることは何ですか?
– あなたが惰性で行っていて、対処することを避けている仕事上の習慣は何ですか?
– あなたがこれまで、心の奥底では問題と気づいていながら、認めてこなかった、あるいは少なくとも現在、避けているビジネスの問題は何ですか?
真剣に向き合うと辛いこと。
目をそらしたくなるようなことも含めて、真の成功者は現実を正確に把握して、その上で、自分が理想とする未来を具体的に思い描き、理想と現実とのギャップを埋めようと必死に努力するのです。
まとめ
厳しいことを言いましたが、それはあなたのせいではありません。
なぜなら普通、「ビジネスは常識的な知識や考え方を持っていれば出来るもの」と思われています。誰もあなたに、物事を明確にする訓練が必要だと言ってはくれません。
ビジネスの世界で勝ち続けるためには、どんなに面倒くさくても、物事を明確にしようとする習慣と訓練が何よりも不可欠です。
何も訓練されていないパイロットが操縦する飛行機には誰も乗りたくないように、何も訓練されていない経営者やマーケッターが運営するビジネスには、誰も乗りたくないのです。
そんなことを真正面から言う人はいませんが、それこそが厳しいビジネスの真実の姿なのです。
今からでも決して、遅くはありません。
自分自身をビジネスという飛行機のパイロットだと思って、安全な飛行ができるように、自らを鍛え上げていきましょう。
それを積み重ねることできっと、素晴らしい目的地に辿りつくことができるようになるでしょう。