業績を上げるために、あなたの商品・サービスよりも重要視しなければならないこととは?

あなたが長くビジネスをしているのならきっと、自分の扱う商品・サービスに対する愛着は持っているでしょう。

でも、あなたのビジネスを継続させていくためには、商品・サービス以上に大切なことがあることを知っていますか?

商品・サービス以上に大事なこととは?

マネジメントの父と呼ばれているP.Fドラッカーは、『創造する経営者 ピーター・F・ドラッカー (著), 上田 惇生 (著)』の中で、このように言っています。

市場と流通チャネルは、業績をもたらす領域として製品よりも重要なことがある。製品は経理上も事業の一部である。事業の領域内にある。しかし、市場と流通チャネルは、経済的にのみ事業の一部である。

経済的には、製品は、市場にあって、流通チャネルを通じて最終用途のために購入されて製品となる。しかし、市場と流通チャネルのほうは製品から独立して存在する。一義的に存在する。製品のほうが二義的に存在する。

市場と流通チャネルは事業の外部にあってコントロールできない。製品の変更は命令できても、市場や流通チャネルの変更は命令できない。確かに、ある程度は市場や流通チャネルを変化させられるが、ごくわずかにすぎない。

このP.Fドラッカーの言葉から学べることは、商品・サービスばかりに注意を払うのではなく、「商品・サービス」と「市場」、そして「流通チャネル」の3つを最適化する必要があるということです。

そして、それを行うことこそが、あなたの本当の仕事だということです。

続けて、P.Fドラッカーはこのようなエピソードを紹介しています。

ある家庭用消耗品のメーカーは、アフターサービスのためには、ある製品を家具店のような専門店で売らなければならないと考えた。優れた製品であって評判もよかった。販促も順調だった。専門店のほうも、経験のある店員を配置し陳列にも力を入れてくれた。説明書も十分用意し万全を期した。しかし売上げは伸びなかった。

二か月ほどで消耗されるその製品には、家具店は間違った流通チャネルだった。そのような製品は大衆消費財であって、大衆が買い物をするところで売らなければならない。家具店ではなく大量販売を志向する大規模小売店でなければならない。

そのメーカーは、家具店に大衆を呼び寄せて買わせようとし、みごとに失敗した。しかしやがてこのメーカーも、今日のアメリカの市場では、大量流通が可能なのはスーパー、デパート、ショッピングセンター、ディスカウントハウスなど大衆が買い物をする場所であることを認めた。そこで製品を設計し直し、アフターサービスが不要なものにした。そして大量流通と大量販売によって、製品の品質、消費者の満足、販売促進の効果を実現した。

まとめ

日々、忙しく仕事をしているとついつい、市場と流通チャネルについての開発・分析をおろそかにしてしまいがちです。

また、自分の商品・サービスについての開発・分析すらも日々の雑事に流されて、おろそかにしてしまいしがちです。

毎日、どんなに忙しくても市場と流通チャネル、そして商品・サービスの開発・分析に時間を使うようにしましょう。

その仕事こそが、他の人には決して任せることができない、あなたにしかできない仕事なのです。

その仕事のことを一般的には、マーケティング活動と呼ばれています。