経営者(リーダー)の本当の責務とは?

あなたの会社が抱える社員が1名でも100名でも、あなたは立派な経営者(リーダー)です。

抱える社員の数に関係なく、あなたは経営者(リーダー)として、社員を導く責任があります。

でも、それ以上に、あなたは市場に対しても経営者(リーダー)として社員だけでなく、顧客を導く必要があるのです。

いかなるリーダーシップも、うつろいやすく短命である

もし、あなたが不動産ビジネスをしていて、地域で一番の繁盛店だとしても、その地位はいつまでも安泰ではありません。

マネジメントの父として有名なP.Fドラッカーはこのように言っています。

リーダー時な地位といえども確固たるものとはなりえない。業績をあげる場たる市場や資源たる知識は誰の専有物でもない。したがって、いかなるリーダーシップも一時的な優位性にすぎない。物理の世界と同じように、企業の世界においてもエネルギーは拡散する。

創造する経営者(ピーター・F・ドラッカー (著),‎ 上田 惇生 (著),発行所:ダイヤモンド社 9頁より引用)

どんなビジネスでも、絶対に安泰ということはありません。

変化にさらされる経営の世界では、1年前に過去最高益を達成できたとしても、次の年には過去最低益に転落してしまうことは十分にあり得ることです。

それが経営なのです。

経営者(リーダー)の責務とは?

経営者(リーダー)の責務とは、そのような市場の落ち込みや危機を未然に予測し、そのような落ち込みから事業を脱出させることにあります。

そのためには、事業の焦点を問題解決だけでなく、機会に合わせる必要があります。

だからこそ、あなたの時間の大半を今日、もしくは昨日起こった問題にばかり使ってはいけないのです。

P.Fドラッカーもこのように言っています。

今日存在するものは全て昨日の産物である。今日の事業、すなわち、資源、活動、組織、製品、市場、顧客は、すべて過去における意思決定と行動の結果である。

しかも、ほとんどの人間が、昨日の事業とともに育っている。彼らの姿勢、期待、価値観は、昨日つくられた。したがって彼らは昨日の教訓を今日使おうとする。事実、あらゆる企業が昨日起こっていたことを正常と見なし、そのパターンに当てはまらないものは異常として退ける傾向をもつ。

物事は、予想したとおりには起こらない。未来は常に違う。しかし、将軍たちが昔の戦争に対して備えたがるように、企業人も昨日のブームや昨日の不況に対処しようとする。

既存のものは古くなる。あらゆる意思決定と行動がそれを行った瞬間から古くなり始める。したがって通常の状態に戻そうとすることは不毛である。通常とは昨日の現実にすぎない。

経営者の仕事は、昨日の通常を、変化してしまった今日に押しつけることではない。企業と、その行動、姿勢、期待、製品、市場、流通チャネルを新しい現実に合わせて変化させることである。

創造する経営者(ピーター・F・ドラッカー (著),‎ 上田 惇生 (著),発行所:ダイヤモンド社 10頁より引用)

まとめ

例えば、昨日の通常を、変化してしまった今日に押しつける事例として、広告投資として、全く効果が見えないチラシに投資し続けるということがあります。

理由は過去ずっとやっていたので、止められないということのみ。

そこには何の戦略的な考えもありません。

むしろ、保身や新しいことに挑戦することに対する恐怖によって、昨日うまくいっていたこと。今日、効果が薄いとわかっていることを続けているのです。

お客さんがチラシよりも、スマホでインターネットを見ることが多くなったこの流れの中で、このような態度と意思決定は、組織を地獄へと導いてしまう可能性があります。

経営者(リーダー)の責務はその先を読み、戦略思考を最大限に働かせること。決して、考え続けることに妥協しないこと。そして、その先に先陣を築き、組織に機会を迎え入れることにあるねです。

この仕事は、決して簡単な仕事ではありません。

でも、少しずつでも、これを毎日の習慣にすることで身につけることができますので、根気強く取り組んでいきましょう。